B型肝炎ウイルスDNA組み込みによる発癌とその解析法の開発

「はじめに」 近年, 治療法が著しく進歩し, 治癒が期待できるようになったC型肝炎ウイルス(HCV)感染症とは異なり, B型肝炎ウイルス(HBV)は肝細胞からの排除が難しく, HBV関連肝細胞癌は減少しておらずその発生機序の解明は喫緊の最重要課題のひとつである. HBV関連肝細胞癌においては, 宿主ゲノムの複数箇所にHBV DNAの組み込みが見られ, 重要な役割を果たしていることが示唆されているが, 組み込み部位を従来法で網羅的に検出することは難しく, ましてや組み込みに伴うDNAメチル化変化を解析することはできなかった. 我々は, HBV DNA組み込み配列を含むヒトゲノム断片のみを効率的に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:電気泳動 2015, Vol.59(2), pp.58-60
Hauptverfasser: 伊東, 文生, 渡邊, 嘉行, 及川, 律子, 四柳, 宏, 山本, 博幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 近年, 治療法が著しく進歩し, 治癒が期待できるようになったC型肝炎ウイルス(HCV)感染症とは異なり, B型肝炎ウイルス(HBV)は肝細胞からの排除が難しく, HBV関連肝細胞癌は減少しておらずその発生機序の解明は喫緊の最重要課題のひとつである. HBV関連肝細胞癌においては, 宿主ゲノムの複数箇所にHBV DNAの組み込みが見られ, 重要な役割を果たしていることが示唆されているが, 組み込み部位を従来法で網羅的に検出することは難しく, ましてや組み込みに伴うDNAメチル化変化を解析することはできなかった. 我々は, HBV DNA組み込み配列を含むヒトゲノム断片のみを効率的に抽出した後に次世代シークエンサー(Next-generation sequencing : NGS)解析を行うという全く新しい発想に基づくウイルスDNA全組み込みおよびメチル化解析法を開発したのでHBV関連肝細胞癌の発癌機構とともに概説する.
ISSN:2189-2628
2189-2636
DOI:10.2198/electroph.59.58