マイクロチップ電気泳動法と試料濃縮

「はじめに」キャピラリー電気泳動(CE)は内径50~100μmのフューズドシリカ管を用いて行う分離分析法である. 分離管内の体積がμL, 試料量はnLと, 試料や溶媒の消費量が極めて少ない. その上, 泳動液を交換するだけで, 様々な分離モードを同一の装置で簡単に達成できる. 一方, マイクロチップ電気泳動は数cm角の基盤に幅50-200μm, 深さ5-150μmの流路系を構築し, 試料の導入と分離を一度に行えるようにしたものであり, ガラス製のチップを用いれぽCEで開発された分離モードをそのまま利用できる. 最近ではPMMA, PDMS, cycloolefinなど, 様々なポリマー系チップ...

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Veröffentlicht in:生物物理化学 2008, Vol.52 (suppl), p.127-131
Hauptverfasser: 山本佐知雄, 大城文男, 鈴木茂生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」キャピラリー電気泳動(CE)は内径50~100μmのフューズドシリカ管を用いて行う分離分析法である. 分離管内の体積がμL, 試料量はnLと, 試料や溶媒の消費量が極めて少ない. その上, 泳動液を交換するだけで, 様々な分離モードを同一の装置で簡単に達成できる. 一方, マイクロチップ電気泳動は数cm角の基盤に幅50-200μm, 深さ5-150μmの流路系を構築し, 試料の導入と分離を一度に行えるようにしたものであり, ガラス製のチップを用いれぽCEで開発された分離モードをそのまま利用できる. 最近ではPMMA, PDMS, cycloolefinなど, 様々なポリマー系チップが安価に供給されるようになった. ガラス製チップと異なり電気浸透流(EOF)が低く, 固有の吸着特性を有するなどの特徴があるので注意が必要であるが, 使い捨てが可能となったことから, 今後は臨床分析にも利用されるであろう. 日本を含め, 様々なメーカーがマイクロチップの受託製造や, DNAやタンパク質分析を対象としたチップ電気泳動装置を市販しており, 今後の普及が予想される.
ISSN:0031-9082