2.質量分析の前処理ツールとしての応用

ヒトゲノム計画が終了し, 研究対象が遺伝子から蛋白質へ, 今やプロテオミクス真っ盛りである. 我々グループは, ソフトイオン化質量分析法(エレクトロスプレーイオン化:ESIあるいはマトリックス支援レーザー脱離イオン化:MALDI)疾患発症の原因蛋白質を検出し, 種々の疾患の診断に寄与して来た. 例えば, 異常ヘモグロビン(Hb)症や神経変性疾患の診断には, 一次構造異常Hbやトランスサイレチン(遺伝性アミロイドポリニューロパチー), スーパーオキシド, ジスムターゼ(家族性筋萎縮性側索硬化症)などを検出, 同定することによって迅速診断できる. 一方, 担癌患者血清中には癌細胞特異抗原やそれに対...

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Veröffentlicht in:生物物理化学 2004, Vol.48 (suppl), p.14-14
1. Verfasser: 中西豊文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヒトゲノム計画が終了し, 研究対象が遺伝子から蛋白質へ, 今やプロテオミクス真っ盛りである. 我々グループは, ソフトイオン化質量分析法(エレクトロスプレーイオン化:ESIあるいはマトリックス支援レーザー脱離イオン化:MALDI)疾患発症の原因蛋白質を検出し, 種々の疾患の診断に寄与して来た. 例えば, 異常ヘモグロビン(Hb)症や神経変性疾患の診断には, 一次構造異常Hbやトランスサイレチン(遺伝性アミロイドポリニューロパチー), スーパーオキシド, ジスムターゼ(家族性筋萎縮性側索硬化症)などを検出, 同定することによって迅速診断できる. 一方, 担癌患者血清中には癌細胞特異抗原やそれに対する自己抗体の存在が知られており, それら分子を検出, 同定することは, 癌の診断あるいは免疫療法の開発に有用な情報を与える. また, 糖尿病性網膜症患者硝子体中には種々の血管新生制御因子の発現が知られている. 今回, ソフトイオイン化質量分析による疾患関連蛋白の構造解析の前処理手段としての電気泳動法の有用性について自検例を交えて紹介する.
ISSN:0031-9082