進行性の中大脳動脈狭窄に対して経皮的血管形成術とSTA-MCA bypassを連続して行い良好な転帰を辿った1例

中大脳動脈(MCA)狭窄による進行性脳梗塞に対して,経皮的血管形成術(balloon PTA)後,早期に浅側頭動脈(STA)-MCA bypass術を施行し良好な転帰を辿った1例を報告する.82歳,男性.突然の左片麻痺で当院搬送となった.MRI/Aで右MCAに高度狭窄が認められ,同領域に多発性脳梗塞が確認された.初期治療として積極的内科的治療を行ったが,5日目に左半側空間無視を呈し,MRIで脳梗塞増大が確認された.以降の梗塞増大を避けるため緊急でballoon PTAを行った.十分なMCAの拡張が得られたものの,病変長が10mmを超えていたことから長期的には再狭窄が懸念された.そこで,11日目...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2022, Vol.50(6), pp.503-507
Hauptverfasser: 坂口, 雄亮, 越智, 崇, 吉田, 拓也, 後藤, 芳明, 前田, 佳一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:中大脳動脈(MCA)狭窄による進行性脳梗塞に対して,経皮的血管形成術(balloon PTA)後,早期に浅側頭動脈(STA)-MCA bypass術を施行し良好な転帰を辿った1例を報告する.82歳,男性.突然の左片麻痺で当院搬送となった.MRI/Aで右MCAに高度狭窄が認められ,同領域に多発性脳梗塞が確認された.初期治療として積極的内科的治療を行ったが,5日目に左半側空間無視を呈し,MRIで脳梗塞増大が確認された.以降の梗塞増大を避けるため緊急でballoon PTAを行った.十分なMCAの拡張が得られたものの,病変長が10mmを超えていたことから長期的には再狭窄が懸念された.そこで,11日目にSTA-MCA bypass術を追加した.外科的治療介入後の梗塞増大はなく,患者は4カ月間のリハビリテーションを経て退院した.90日目のCT検査ではMCAの再狭窄が認められた.このことから,balloon PTA後早期にSTA-MCA bypass術を行うことで,再狭窄による脳梗塞再発を予防できた可能性が示唆された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.503