大型/巨大内頚動脈瘤に対する直達手術の治療成績と問題点

大型/巨大内頚動脈瘤に対する直達手術では,特にC1部の動脈瘤を中心に,しばしば良好な機能予後や根治性が得られない場合がある.当施設で2014年から2018年までに開頭手術により治療を行った15mm以上の内頚動脈瘤32例を対象とし〔C3-5部:17例,C2部(C2-3を含む):7例,C1部(C2-3部を含む):8例〕,治療方法,治療成績を後方視的に解析し,問題点を検討した.転帰は半年後のmodified Rankin Scale(mRS)を用いて評価した.C3-5部では,全例でEC-RA-M2バイパス+頚部内頚動脈結紮によるflow alteration(FA)を行った.術後,全例で動脈瘤は消失...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2022, Vol.50(5), pp.370-376
Hauptverfasser: 吉川, 雄一郎, 柴田, 碧人, 古峰, 弘之, 根木, 宏明, 寺西, 亮雄, 鈴木, 海馬, 上出, 智也, 池田, 俊貴, 栗田, 浩樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:大型/巨大内頚動脈瘤に対する直達手術では,特にC1部の動脈瘤を中心に,しばしば良好な機能予後や根治性が得られない場合がある.当施設で2014年から2018年までに開頭手術により治療を行った15mm以上の内頚動脈瘤32例を対象とし〔C3-5部:17例,C2部(C2-3を含む):7例,C1部(C2-3部を含む):8例〕,治療方法,治療成績を後方視的に解析し,問題点を検討した.転帰は半年後のmodified Rankin Scale(mRS)を用いて評価した.C3-5部では,全例でEC-RA-M2バイパス+頚部内頚動脈結紮によるflow alteration(FA)を行った.術後,全例で動脈瘤は消失し,1例(6%)で梗塞によるmRSの悪化を認めた.C2部では,全例でclippingを行った.2例(18%)でmRSが悪化したが,穿通枝領域の虚血合併症は認めなかった.C1部では,6例でclipping,1例でEC-RA-M2バイパス+頚部内頚動脈結紮によるFA,1例でEC-RA-M2バイパス+trappingを行った.穿通枝領域の梗塞を生じた2例を含む3例(38%)でmRSが悪化した.FAを行った1例では,遅発性に瘤の再開通ならびに増大を認めた.大型/巨大内頚動脈の外科治療においては,C2-5部ではおおむね良好な転帰が得られたが,C1部では穿通枝梗塞,再開通,再増大などの課題がいまだに残る.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.370