脳底動脈本幹部および椎骨動脈の大型動脈瘤に対する血管内治療の治療成績
脳動脈瘤の治療において,後頭蓋窩の脳動脈瘤は血管内治療が中心となりつつある.また,後頭蓋窩の大型脳動脈瘤は,一般に自然歴は不良で,治療成績も良好とはいい難い.当院では以前より後頭蓋窩の大型脳動脈瘤に対して血管内治療を行っており,今回,後頭蓋窩大型動脈瘤の血管内治療について治療成績の検討を行った.2010年4月から2018年10月まで当院で治療を行った脳動脈瘤のうち,10mm以上の非破裂椎骨動脈瘤,脳底動脈本幹部動脈瘤14病変(平均56.5歳,男性9名)を対象とした.動脈瘤の大きさは10-15mmが8例,15mm以上が6例であった.部位は脳底動脈が2例,椎骨動脈が12例であった.治療は動脈瘤の形...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2022, Vol.50(4), pp.274-279 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脳動脈瘤の治療において,後頭蓋窩の脳動脈瘤は血管内治療が中心となりつつある.また,後頭蓋窩の大型脳動脈瘤は,一般に自然歴は不良で,治療成績も良好とはいい難い.当院では以前より後頭蓋窩の大型脳動脈瘤に対して血管内治療を行っており,今回,後頭蓋窩大型動脈瘤の血管内治療について治療成績の検討を行った.2010年4月から2018年10月まで当院で治療を行った脳動脈瘤のうち,10mm以上の非破裂椎骨動脈瘤,脳底動脈本幹部動脈瘤14病変(平均56.5歳,男性9名)を対象とした.動脈瘤の大きさは10-15mmが8例,15mm以上が6例であった.部位は脳底動脈が2例,椎骨動脈が12例であった.治療は動脈瘤の形態や対側の椎骨動脈の発達の程度に応じて行われ,動脈瘤内塞栓術が9例,母血管閉塞術が5例であった.治療後の動脈瘤の大きさの変化は縮小が1例,不変が9例,増大が4例であった.部位別にみると,脳底動脈瘤は2例中2例で増大,椎骨動脈瘤では12例中2例で増大していた.治療前の動脈瘤の大きさで検討を行うと,動脈瘤が15mm以上では6例中3例で増大,10mm以上15mm未満では8例中1例のみで増大がみられた(p=0.24).なお,動脈瘤の血栓化の有無では差はみられなかった.大型後頭蓋窩動脈瘤の血管内治療において,血栓化の有無にかかわらず15mm以上の動脈瘤の治療成績は不良であり,動脈瘤の増大,出血にかかわる病態の解明およびそれに応じた治療方針の確立が望まれる. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.50.274 |