テント部硬膜動静脈瘻に合併したlong circumflex branch破裂動脈瘤の1例

症例は66歳の男性で,WFNS分類grade IIのくも膜下出血を発症した.頭部CTAより,後大脳動脈P1部からの分枝であるlong circumflex branchに3mm大の動脈瘤を認め,血腫の分布から出血源と診断した.さらに,本血管は,合併するテント部硬膜動静脈瘻のmain feederであると考えられた.出血源とシャント部が同時に治療できれば望ましいが,脳動脈瘤がwide neckであり,血管内治療では母血管の温存が困難となり得る可能性,さらに二期的にテント部硬膜動静脈瘻を治療する際の重要なapproach routeであることを勘案し,まず開頭クリッピング術による破裂脳動脈瘤のみ治...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2022, Vol.50(3), pp.212-217
Hauptverfasser: 西井, 智哉, 宇田, 憲司, 玉利, 洋介, 泉, 孝嗣, 林, 重正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は66歳の男性で,WFNS分類grade IIのくも膜下出血を発症した.頭部CTAより,後大脳動脈P1部からの分枝であるlong circumflex branchに3mm大の動脈瘤を認め,血腫の分布から出血源と診断した.さらに,本血管は,合併するテント部硬膜動静脈瘻のmain feederであると考えられた.出血源とシャント部が同時に治療できれば望ましいが,脳動脈瘤がwide neckであり,血管内治療では母血管の温存が困難となり得る可能性,さらに二期的にテント部硬膜動静脈瘻を治療する際の重要なapproach routeであることを勘案し,まず開頭クリッピング術による破裂脳動脈瘤のみ治療を行い,その後二期的にテント部硬膜動静脈瘻の治療を行う方針とした.trans-sylvian approachで問題なくネッククリッピングが達成でき,テント部硬膜動静脈瘻に対しては後日血管内治療が行われた.頻度がまれな位置に生じた破裂脳動脈瘤に対し合併症なく良好な経過が得られた本症例は,以後同様のケースにおける治療方針決定の一助を担うと考え報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.212