外頚動脈系からも流入が認められた開頭術後pial AVFの1例

「はじめに」pial arteriovenous fistula(pial AVF)は脳動脈と静脈が直接短絡する疾患で, 硬膜動静脈瘻やarteriovenous malformation(AVM)よりも頻度が少ないまれな疾患である. その発生機序や自然歴は不明な点が多い. 後天性pial AVFはまれであり, 特に開頭術後に生じたpial AVFについての報告は少ない. 今回われわれは開頭術後にpial AVFをきたした1例を経験したので, 文献的考察を含め報告する. 「症例」69歳, 男性. 既往歴:高血圧症, 脂質異常症. 現病歴:2009年某日, 左中大脳動脈(middle cereb...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2021, Vol.49(5), pp.385-390
Hauptverfasser: 佐々木, 望, 伊藤, 陽平, 辻本, 真範, 森, 良雄, 北島, 英臣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」pial arteriovenous fistula(pial AVF)は脳動脈と静脈が直接短絡する疾患で, 硬膜動静脈瘻やarteriovenous malformation(AVM)よりも頻度が少ないまれな疾患である. その発生機序や自然歴は不明な点が多い. 後天性pial AVFはまれであり, 特に開頭術後に生じたpial AVFについての報告は少ない. 今回われわれは開頭術後にpial AVFをきたした1例を経験したので, 文献的考察を含め報告する. 「症例」69歳, 男性. 既往歴:高血圧症, 脂質異常症. 現病歴:2009年某日, 左中大脳動脈(middle cerebral artery:MCA)瘤破裂によるくも膜下出血にて開頭脳動脈瘤頚部クリッピング術を施行された. 術後軽度の右片麻痺と失語を認め, MRIにて左側頭葉の一部に脳梗塞が認められた. 術後11日目の脳血管撮影検査で動脈瘤消失とクリップによるMCA inferior trunkの閉塞が認められ, 左側頭葉へは左後大脳動脈からの軟膜吻合を介して血流が認められた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.385