小脳動脈末梢性脳動脈瘤の検討

「はじめに」後頭蓋窩末梢性脳動脈瘤の頻度は低く, 1人の脳神経外科医が生涯に経験できる症例数はかぎられる. 昨今, 血管内治療の対象になることも多いが, 無症候性を含めると45%と高率に梗塞が生じるとの報告もあり, 可能であれば母動脈を温存した顕微鏡下手術を選択すべきであろう. 本稿では, 小脳動脈末梢瘤の自験例を分析し, その特徴を探る. 各部位の代表例や手術リスクが高い脳幹密着例を中心に提示する. 「対象・方法」2009-2018年に治療した後頭蓋窩末梢性脳動脈瘤7例を分析した. 当該期間中, 血管内治療を適用した例はなかった. 内訳は, 上小脳動脈(superior cerebellar...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2021, Vol.49(4), pp.265-269
Hauptverfasser: 田中, 雄一郎, 大塩, 恒太郎, 高砂, 浩史, 伊藤, 英道, 内田, 将司, 後藤, 哲哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」後頭蓋窩末梢性脳動脈瘤の頻度は低く, 1人の脳神経外科医が生涯に経験できる症例数はかぎられる. 昨今, 血管内治療の対象になることも多いが, 無症候性を含めると45%と高率に梗塞が生じるとの報告もあり, 可能であれば母動脈を温存した顕微鏡下手術を選択すべきであろう. 本稿では, 小脳動脈末梢瘤の自験例を分析し, その特徴を探る. 各部位の代表例や手術リスクが高い脳幹密着例を中心に提示する. 「対象・方法」2009-2018年に治療した後頭蓋窩末梢性脳動脈瘤7例を分析した. 当該期間中, 血管内治療を適用した例はなかった. 内訳は, 上小脳動脈(superior cerebellar artery:SCA)瘤1例, 前下小脳動脈(anterior inferior cerebellar artery:AICA)瘤1例, 後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery:PICA)瘤5例で, 3例が破裂瘤(WFNS grade 1 ないし2)であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.265