高齢者のくも膜下出血治療の現状 ─医療費の観点から

「はじめに」 本邦では, 平成15年度に急性期入院医療を対象に, DPCによる包括的医療制度を用いて医療費を算出することが多くなった. 本邦は, 保険診療で医療を行うことが多く, 医療経済を無視することはできない. 一方で, 少子高齢化が進行しており, 高齢者が費やす医療費は増大しているため, 限られた医療資源による費用対効果と倫理的な配慮が必要となっており, 新たな問題も起きている. 脳神経外科領域では, くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage : SAH)に対して, 高齢者の急性期外科治療の頻度が増加しており, 治療成績も保存的加療と比較して改善傾向にあると報告されて...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2020, Vol.48(5), pp.333-337
Hauptverfasser: 中戸川, 裕一, 天野, 裕貴, 稲永, 親憲, 山本, 貴道, 田中, 篤太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」 本邦では, 平成15年度に急性期入院医療を対象に, DPCによる包括的医療制度を用いて医療費を算出することが多くなった. 本邦は, 保険診療で医療を行うことが多く, 医療経済を無視することはできない. 一方で, 少子高齢化が進行しており, 高齢者が費やす医療費は増大しているため, 限られた医療資源による費用対効果と倫理的な配慮が必要となっており, 新たな問題も起きている. 脳神経外科領域では, くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage : SAH)に対して, 高齢者の急性期外科治療の頻度が増加しており, 治療成績も保存的加療と比較して改善傾向にあると報告されている. 当院の症例をもとに高齢者のSAH診療における医療費削減について検討したので報告する. 「対象と方法」 2005年1月から2017年6月までに入院したSAH症例のうち, 急性期外科治療を施行し, 脳血管攣縮期の積極的内科的管理を行った連続259例を対象とし, そのうち50歳未満の若年症例58例(Y群)と80歳以上の高齢症例21例(O群)の2群について比較した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.333