造影MRIを用いた未破裂脳動脈瘤周囲の構造物描出能の検討 ─手術所見との比較

「はじめに」未破裂脳動脈瘤の術前検査において, 動脈瘤周囲の構造物が忠実に描出できれば手術シミュレーションが容易となり手術の安全性向上に寄与する. CT-angiography (CTA) は, 術野の情報を得るために有効なモダリティであり, 脳動脈瘤の形状やサイズに加えて, 周囲の動静脈の走行, 前床突起や蝶形骨縁の構造を把握するために施行されてきた. しかしながら, CTAは脳表の描出が不良であるため, 脳動脈瘤へのアプローチ時を含めた手術所見を忠実に予測できているとはいい難い. 今回われわれは, 軟部組織コントラスト能に優れている造影MRIを用いることにより, 脳動脈瘤周囲の構造物の評価...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2020, Vol.48(3), pp.173-178
Hauptverfasser: 水口, 紀代美, 福田, 仁, 福岡, 正晃, 有光, 誠人, 森木, 章人, 森本, 雅徳, 濱田, 史泰, 福井, 直樹, 上羽, 哲也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」未破裂脳動脈瘤の術前検査において, 動脈瘤周囲の構造物が忠実に描出できれば手術シミュレーションが容易となり手術の安全性向上に寄与する. CT-angiography (CTA) は, 術野の情報を得るために有効なモダリティであり, 脳動脈瘤の形状やサイズに加えて, 周囲の動静脈の走行, 前床突起や蝶形骨縁の構造を把握するために施行されてきた. しかしながら, CTAは脳表の描出が不良であるため, 脳動脈瘤へのアプローチ時を含めた手術所見を忠実に予測できているとはいい難い. 今回われわれは, 軟部組織コントラスト能に優れている造影MRIを用いることにより, 脳動脈瘤周囲の構造物の評価が可能かどうか, また優れた脳表描出能を通して実際の手術所見を忠実に予測し得るかどうかを検討したので報告する. 「方法」対象は, 当院で未破裂脳動脈瘤に対して開頭クリッピング術を行った2症例 (左中大脳動脈瘤1例, 前交通動脈瘤1例) である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.173