くも膜下出血の予後予測に対する血中ハプトグロビン濃度測定の有用性

「はじめに」ハプトグロビン (Hp) は, 主に肝臓で合成され血漿中に30-190mg/dlの濃度で存在する血清糖蛋白質で, 溶血などによりヘモグロビン (Hb) が血中に遊離されると迅速にきわめて強固に結合し, 細網内皮系細胞のレセプターを介して速やかに取り込まれて分解処理され, 遊離型Hbの毒性を中和するとともに腎糸球体からのHb喪失を防止する. また, 血液型のように個々人で違う型をもった多型蛋白であり, 2つの対立遺伝子Hp1, Hp2に規定されるHp1-1, Hp2-1, Hp2-2の3つの多型 (common多型) を呈し, 遊離Hbとの結合能はHp1-1が最も強くHp2-2が最も...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2019, Vol.47(5), pp.327-331
Hauptverfasser: 杉, 圭祐, 青木, 孝親, 藤森, 香奈, 野口, 慶, 山本, 真文, 副島, 美貴子, 神田, 芳郎, 森岡, 基浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」ハプトグロビン (Hp) は, 主に肝臓で合成され血漿中に30-190mg/dlの濃度で存在する血清糖蛋白質で, 溶血などによりヘモグロビン (Hb) が血中に遊離されると迅速にきわめて強固に結合し, 細網内皮系細胞のレセプターを介して速やかに取り込まれて分解処理され, 遊離型Hbの毒性を中和するとともに腎糸球体からのHb喪失を防止する. また, 血液型のように個々人で違う型をもった多型蛋白であり, 2つの対立遺伝子Hp1, Hp2に規定されるHp1-1, Hp2-1, Hp2-2の3つの多型 (common多型) を呈し, 遊離Hbとの結合能はHp1-1が最も強くHp2-2が最も弱いという特徴がある. さらに, common多型による血中濃度差が報告されており, common多型以外にもHpの血中濃度に関係する遺伝子多型 (一塩基多型〔single nucleotide polymorphism : SNP〕rs2000999) が報告されている.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.327