吻合術における浅側頭動脈切断面の病理学的検討 ─2症例での検討

「はじめに」浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術〔superficial temporal artery-middle cerebral artery bypass(STA-MCAバイパス術)〕は, 血行力学的脳虚血に対する確立された手術手技である. しかし, 吻合術中に浅側頭動脈壁の損傷や解離などにより, 血流を再開した際に止血に難渋することや, 吻合部の閉塞をきたすことがある. これらの原因の1つがSTA断端処理にあるのではないかと考え, STA-MCAバイパス術の際に切断したSTA断面を病理学的に検討し, 切断手技による血管壁への影響を評価した. 「対象と方法」 66歳, 女性. 左内頚動脈高度...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2018, Vol.46(6), pp.445-448
Hauptverfasser: 野田, 伸司, 北島, 英臣, 水谷, 大佑, 森嶋, 亮, 郭, 泰彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術〔superficial temporal artery-middle cerebral artery bypass(STA-MCAバイパス術)〕は, 血行力学的脳虚血に対する確立された手術手技である. しかし, 吻合術中に浅側頭動脈壁の損傷や解離などにより, 血流を再開した際に止血に難渋することや, 吻合部の閉塞をきたすことがある. これらの原因の1つがSTA断端処理にあるのではないかと考え, STA-MCAバイパス術の際に切断したSTA断面を病理学的に検討し, 切断手技による血管壁への影響を評価した. 「対象と方法」 66歳, 女性. 左内頚動脈高度狭窄による一過性の血行力学的脳虚血症状をきたしたため, 脳梗塞発症予防目的でSTA-MCAバイパス術を行った. STAは上山式マイクロ剪刃(村中医療器)を用いて血管長軸に直角の方向にゆっくり切断した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.46.445