静脈灌流障害の著明な横-S状静脈洞硬膜動静脈瘻に対して静脈洞形成術とステント留置術を施行した1例

「はじめに」 硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula: DAVF)に静脈洞の閉塞や狭窄を伴うことはよく知られており, 狭窄した静脈洞はシャント血の流出路を担っていることもある. そのため, DAVFにおいて, 静脈洞の閉塞や狭窄による頭蓋内静脈灌流障害のため頭蓋内圧亢進症状に起因するさまざまな症状が引き起こされることがある. また, 経静脈的塞栓術の施行時に狭窄部をカテーテルが通過する際に静脈灌流を悪化させてしまう可能性やシャントの閉塞後にも狭窄により静脈灌流障害が残存する可能性がある. 今回, 静脈うっ滞による幻覚および妄想にて発症した横静脈洞と内頚静脈の2箇所...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2018, Vol.46(3), pp.222-228
Hauptverfasser: 松原, 功明, 太田, 圭祐, 泉, 孝嗣, 宮地, 茂, 若林, 俊彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula: DAVF)に静脈洞の閉塞や狭窄を伴うことはよく知られており, 狭窄した静脈洞はシャント血の流出路を担っていることもある. そのため, DAVFにおいて, 静脈洞の閉塞や狭窄による頭蓋内静脈灌流障害のため頭蓋内圧亢進症状に起因するさまざまな症状が引き起こされることがある. また, 経静脈的塞栓術の施行時に狭窄部をカテーテルが通過する際に静脈灌流を悪化させてしまう可能性やシャントの閉塞後にも狭窄により静脈灌流障害が残存する可能性がある. 今回, 静脈うっ滞による幻覚および妄想にて発症した横静脈洞と内頚静脈の2箇所に高度狭窄を伴う横-S状静脈洞DAVFに対して, 経静脈的塞栓術と静脈洞狭窄部のバルーン拡張術, 内頚静脈ステント留置術を行った1例を経験したので報告する. 「症例」 症例: 46歳, 男性. 既往歴: 糖尿病. 心房細動(ワルファリンを内服).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.46.222