診断および治療方針に苦慮した両側眼虚血症候群を生じた両側総頚動脈狭窄症の1例

「はじめに」 眼虚血症候群は, 一過性黒内障や網膜動脈閉塞症など頚動脈や眼動脈の狭窄, 閉塞が原因で生じることが多い. 一側で生じることが多く, 病状が進行すると視力障害は不可逆的になる可能性が高い. 今回, 両側に眼虚血症候群を生じたため診断に時間を要し, 一側が高度の視力障害のため治療方針に苦慮した1例を経験したので報告する. 「症例」 71歳, 男性. 喫煙歴および2型糖尿病, 脂質異常症, 狭心症(ステント留置術後)の既往歴がある. 20年前から軽度の両側内頚動脈狭窄症を指摘されていたが無症候性であり, 内科的に加療されていた. 当科受診5カ月前から労作時に右眼の視力低下, 霧視を自覚...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2018, Vol.46(3), pp.205-209
Hauptverfasser: 岡田, 明大, 寺田, 幸恵, 武信, 洋平, 菊池, 隆幸, 吉田, 和道, 宮本, 享
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 眼虚血症候群は, 一過性黒内障や網膜動脈閉塞症など頚動脈や眼動脈の狭窄, 閉塞が原因で生じることが多い. 一側で生じることが多く, 病状が進行すると視力障害は不可逆的になる可能性が高い. 今回, 両側に眼虚血症候群を生じたため診断に時間を要し, 一側が高度の視力障害のため治療方針に苦慮した1例を経験したので報告する. 「症例」 71歳, 男性. 喫煙歴および2型糖尿病, 脂質異常症, 狭心症(ステント留置術後)の既往歴がある. 20年前から軽度の両側内頚動脈狭窄症を指摘されていたが無症候性であり, 内科的に加療されていた. 当科受診5カ月前から労作時に右眼の視力低下, 霧視を自覚し, その後左側も自覚するようになった. 糖尿病の既往があり, 白内障や糖尿病性網膜症が疑われた. 矯正視力は右1.2, 左1.5であり経過観察されていた. 右眼の視力低下が進行し, 当科受診1カ月前には右眼虹彩に新生血管, 両眼に綿花状白斑, 斑状出血を指摘された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.46.205