直達手術を施行した脳幹海綿状血管腫5例の検討

「はじめに」中枢神経海綿状血管腫の発生頻度は0.4-0.9%とされているが, MRIの普及により発見されやすくなった. その中で, 脳幹発生の海綿状血管腫は18-35%を占める. 発生部位の解剖学的特性から出血を生じると麻痺や呼吸障害, 意識障害などの重篤な神経症状を呈する. 加えて, テント上発生のものに比して出血率は約30倍とされ, 再出血率も高い. このため, 出血により重篤な神経症状をきたし, 摘出術を考慮せざるを得ない症例が少なくないが, 手術難易度は高く合併症リスクも高いため積極的な外科的治療は敬遠されがちである. また, 脳卒中治療ガイドライン2015では症候性脳幹海綿状血管腫で...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2018, Vol.46(1), pp.58-64
Hauptverfasser: 田中, 貴大, 周藤, 高, 末永, 潤, 高瀬, 創, 佐藤, 充, 大竹, 誠, 立石, 健祐, 上野, 龍, 宮崎, 良平, 村田, 英俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」中枢神経海綿状血管腫の発生頻度は0.4-0.9%とされているが, MRIの普及により発見されやすくなった. その中で, 脳幹発生の海綿状血管腫は18-35%を占める. 発生部位の解剖学的特性から出血を生じると麻痺や呼吸障害, 意識障害などの重篤な神経症状を呈する. 加えて, テント上発生のものに比して出血率は約30倍とされ, 再出血率も高い. このため, 出血により重篤な神経症状をきたし, 摘出術を考慮せざるを得ない症例が少なくないが, 手術難易度は高く合併症リスクも高いため積極的な外科的治療は敬遠されがちである. また, 脳卒中治療ガイドライン2015では症候性脳幹海綿状血管腫で脳表付近に存在するものに関する外科的切除はグレードC1に位置づけられている. しかし, 微小解剖の理解, 頭蓋底手術手技の発達, 手術支援装置の高性能化などにより近年ではその手術成績は向上している. 今回, 脳幹海綿状血管腫に対する筆者らの手術戦略および治療成績について文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.46.58