前経錐体到達法で摘出した橋腹側海綿状血管腫の1例

「はじめに」脳幹部海綿状血管腫において, 繰り返す出血により症状の段階的増悪を認める例は外科的切除が考慮される. 手術アプローチと脳幹進入部は個々の血管腫の局在に基づき選択されるが, 重要な神経核や神経路が集中する脳幹部の解剖学的特性により, ナビゲーションシステムや術中モニタリングが発達した現在もなお, 手術は困難をきわめる. 特に血管腫が橋腹側に局在する場合, 安全な脳幹実質内への進入路が限られるのみでなく, いずれの手術アプローチでも制限が大きく十分な視野を確保しにくい. われわれは橋腹側海綿状血管腫に対し前経錐体到達法で進入し, 脳幹部 supratrigeminal zone より摘...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2017, Vol.45(4), pp.266-269
Hauptverfasser: 横山, 邦生, 川西, 昌浩, 山田, 誠, 田中, 秀一, 伊藤, 裕, 杉江, 亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」脳幹部海綿状血管腫において, 繰り返す出血により症状の段階的増悪を認める例は外科的切除が考慮される. 手術アプローチと脳幹進入部は個々の血管腫の局在に基づき選択されるが, 重要な神経核や神経路が集中する脳幹部の解剖学的特性により, ナビゲーションシステムや術中モニタリングが発達した現在もなお, 手術は困難をきわめる. 特に血管腫が橋腹側に局在する場合, 安全な脳幹実質内への進入路が限られるのみでなく, いずれの手術アプローチでも制限が大きく十分な視野を確保しにくい. われわれは橋腹側海綿状血管腫に対し前経錐体到達法で進入し, 脳幹部 supratrigeminal zone より摘出した1例を経験した. 前経錐体到達法を用いた橋腹側海綿状血管腫の手術に関する報告は少なく, 1人の術者が経験する症例は限られる. その解剖学的局在に基づく手術アプローチおよび脳幹進入部の選択につき文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.45.266