高齢者未破裂脳動脈瘤に対する血管内治療の安全性と特殊性 ─Flow diverterの有用性を踏まえて

「はじめに」未破裂脳動脈瘤の治療適応は, 日本脳ドック学会の指針を踏まえた脳卒中ガイドラインによれば, 年齢, 健康状態などの患者の背景因子に動脈瘤の破裂リスクなどを勘案して検討することが推奨されている. 特に高齢者においては, 余命を考慮に入れ, 治療による破裂予防という有益性と治療合併症のリスクを天秤にかけると, 消極的な対応がなされることが実際には多い. しかしながら, 平均余命が85歳を超える本邦では, 75歳以上でも十分な健康寿命を有し, 社会的活動を維持する高齢者も少なくない. また, 未破裂瘤でも瘤のmass effectによる圧迫症状を呈する人や, 他の瘤の破裂, 多発性瘤,...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2017, Vol.45(3), pp.204-208
Hauptverfasser: 宮地, 茂, 大西, 宏之, 平松, 亮, 矢木, 亮吉, 泉, 孝嗣, 松原, 功明, 黒岩, 敏彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」未破裂脳動脈瘤の治療適応は, 日本脳ドック学会の指針を踏まえた脳卒中ガイドラインによれば, 年齢, 健康状態などの患者の背景因子に動脈瘤の破裂リスクなどを勘案して検討することが推奨されている. 特に高齢者においては, 余命を考慮に入れ, 治療による破裂予防という有益性と治療合併症のリスクを天秤にかけると, 消極的な対応がなされることが実際には多い. しかしながら, 平均余命が85歳を超える本邦では, 75歳以上でも十分な健康寿命を有し, 社会的活動を維持する高齢者も少なくない. また, 未破裂瘤でも瘤のmass effectによる圧迫症状を呈する人や, 他の瘤の破裂, 多発性瘤, 家族歴などのハイリスク例については, 症候的にも精神的にも健康なQOLを保証するための治療的介入は意義がある. 今回, 治療合併症が多いという固定観念から慎重な適応決定がされてきた高齢者未破裂瘤の外科的治療において, 低侵襲治療としての血管内塞栓術の自験例の治療成績を検討するとともに, 特に症候性動脈瘤についての治療意義について考察する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.45.204