発達した後下小脳動脈に発生した解離性動脈瘤: 症例報告

「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery; PICA)に発生する動脈瘤の多くは椎骨動脈分岐部に生じ, その発生頻度は頭蓋内動脈瘤の0.49-3.0%とされている一方で, PICAに限局して発生するものは0.28-1.4%と報告されている14). その多くは嚢状動脈瘤であり, 解離性瘤はそのうち6.7-41%とまれであり, いずれも症例報告に留まるがゆえ, 発生原因や治療方針は症例ごとに検討されているのが実情である16)26)35)37). 今回われわれは, 特徴的な血管の破格に合併した非分岐部後下小脳動脈解離性動脈瘤症例を経験したため,...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2014, Vol.42(2), pp.136-141
Hauptverfasser: 高瀬, 創, 村田, 英俊, 安久, 正哲, 吉川, 信一朗, 立石, 健祐, 日暮, 雅一, 横山, 高玲, 野地, 雅人, 川原, 信隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery; PICA)に発生する動脈瘤の多くは椎骨動脈分岐部に生じ, その発生頻度は頭蓋内動脈瘤の0.49-3.0%とされている一方で, PICAに限局して発生するものは0.28-1.4%と報告されている14). その多くは嚢状動脈瘤であり, 解離性瘤はそのうち6.7-41%とまれであり, いずれも症例報告に留まるがゆえ, 発生原因や治療方針は症例ごとに検討されているのが実情である16)26)35)37). 今回われわれは, 特徴的な血管の破格に合併した非分岐部後下小脳動脈解離性動脈瘤症例を経験したため, 同動脈瘤の形態学的特徴を詳述し, 発生原因と治療選択に関し文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:38歳, 男性. 主訴:後頭部痛, 嘔気, 意識障害. 既往歴:内科疾患なし, 外傷なし. 家族歴:特記事項なし.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.136