頚動脈内膜剝離術における解剖に基づいた手術手技の工夫: 皮下組織と耳下腺の剝離
「はじめに」CEA手術手技上の最も重要なポイントはプラーク遠位端の確実な処理であり9), このためには内頚動脈を末梢に向けて十分に剥離, 露出するとともに内シャント留置の可能性も含め操作の妨げとならない術野を確保することが必要である. 今回われわれはCEA術野における皮下組織の解剖特性について考察し, これに基づいた高位内頚動脈露出方法を検討した. 「CEAにおける3つの解剖学的障壁」内頚動脈遠位部はCEA術野において3つの層によって覆われている(Fig. 1A). 最も深部にあるのが顎二腹筋後腹を含むstyloid diaphragm4)である. その手前にはretromandibular...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2013, Vol.41(2), pp.96-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」CEA手術手技上の最も重要なポイントはプラーク遠位端の確実な処理であり9), このためには内頚動脈を末梢に向けて十分に剥離, 露出するとともに内シャント留置の可能性も含め操作の妨げとならない術野を確保することが必要である. 今回われわれはCEA術野における皮下組織の解剖特性について考察し, これに基づいた高位内頚動脈露出方法を検討した. 「CEAにおける3つの解剖学的障壁」内頚動脈遠位部はCEA術野において3つの層によって覆われている(Fig. 1A). 最も深部にあるのが顎二腹筋後腹を含むstyloid diaphragm4)である. その手前にはretromandibular spaceを形成する下顎骨の後縁と胸鎖乳突筋の前縁が門のように構えている. 一番表層には硬い耳下腺がretromandibular spaceを占拠するように存在している. styloid diaphragmは両端が骨構造によって固定されているために高位内頚動脈露出の解剖学的限界を決めているが, 背側ほど高位となる斜めの構造をしていることを利用し後方よりアプローチすれば, より高位の内頚動脈遠位部を術野にとらえることができる10). |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.41.96 |