内頚動脈近位閉塞のみでは増大を止められなかった海綿静脈洞部巨大内頚動脈瘤の1例

「はじめに」 海綿静脈洞部に発生する内頚動脈巨大動脈瘤は基本的には硬膜外に発生するためにくも膜下出血ではなく海綿静脈洞部を走行する脳神経症状で発症することが多い7). しかし, 著しく頭蓋内に進展した場合には頭蓋内出血で発症することもある9). 脳神経症状を呈する例や頭蓋内へ進展した例では外科的治療が考慮される2)5)7). 手技的にはバイパス術の併設の有無はあるが基本的には近位閉塞を中心とした母血管閉塞が行われることが多い2)3)5)8). 今回, 進行性の脳神経症状で発症した巨大な海綿静脈洞部内頚動脈瘤に対し血管内手術による近位側内頚動脈閉塞を行ったが経時的に増大し続けたため直達術による遠...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2011, Vol.39(5), pp.367-371
Hauptverfasser: 松本, 圭吾, 橋村, 直樹, 高道, 美智子, 松田, 和也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」 海綿静脈洞部に発生する内頚動脈巨大動脈瘤は基本的には硬膜外に発生するためにくも膜下出血ではなく海綿静脈洞部を走行する脳神経症状で発症することが多い7). しかし, 著しく頭蓋内に進展した場合には頭蓋内出血で発症することもある9). 脳神経症状を呈する例や頭蓋内へ進展した例では外科的治療が考慮される2)5)7). 手技的にはバイパス術の併設の有無はあるが基本的には近位閉塞を中心とした母血管閉塞が行われることが多い2)3)5)8). 今回, 進行性の脳神経症状で発症した巨大な海綿静脈洞部内頚動脈瘤に対し血管内手術による近位側内頚動脈閉塞を行ったが経時的に増大し続けたため直達術による遠位側の閉塞を要した症例を経験した. 再増大のメカニズムにつき, 画像・手術所見を呈示し, 病理, 側副血行路のパターンなどの面から検討を加えた. 「症例」 85歳, 女性. 当院受診5年前から左眼瞼下垂, 左外転位固定などの動眼神経麻痺が出現し, 他施設で左内頚動脈巨大動脈瘤の診断を受けていたが, 経過観察されていた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.367