経過観察中に増大した未破裂脳動脈瘤の手術所見

『はじめに』 未破裂脳動脈瘤の手術適応を考慮するにあたり, 以前から脳動脈瘤の大きさが重要視され, ISUIAの結果1)2)もそれを裏付けるデータを示していた. その後, UCAS Japanが行われ, 中間報告ではあるが破裂リスクを高める因子として, 大きさ以外にも, 瘤の部位, 高齢者, 高血圧などが報告されている6). 以上の結果を踏まえ, 脳卒中治療ガイドライン2009 5)では大きさ以外にも, 症候の有無, 部位, 形状などを参考するように推奨している. その一方で小さな脳動脈瘤を経過観察する機会が増え, 経過とともに経過観察中の脳動脈瘤の増大, 形状の変化を経験するようになり, そ...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2011, Vol.39(3), pp.188-192
Hauptverfasser: 高田, 英和, 佐々木, 雄彦, 杉尾, 啓徳, 木下, 裕介, 村橋, 威夫, 福井, 崇人, 上山, 憲司, 大里, 俊明, 中川原, 譲二, 中村, 博彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:『はじめに』 未破裂脳動脈瘤の手術適応を考慮するにあたり, 以前から脳動脈瘤の大きさが重要視され, ISUIAの結果1)2)もそれを裏付けるデータを示していた. その後, UCAS Japanが行われ, 中間報告ではあるが破裂リスクを高める因子として, 大きさ以外にも, 瘤の部位, 高齢者, 高血圧などが報告されている6). 以上の結果を踏まえ, 脳卒中治療ガイドライン2009 5)では大きさ以外にも, 症候の有無, 部位, 形状などを参考するように推奨している. その一方で小さな脳動脈瘤を経過観察する機会が増え, 経過とともに経過観察中の脳動脈瘤の増大, 形状の変化を経験するようになり, それらは破裂リスクの増大ととらえられ, 原則, 積極的に手術治療を勧めていることが多いと思われる. しかし, 脳動脈瘤の増大が本当に破裂リスクを高めるのかどうかについて明確に示した報告はいまだない. そこで, 今回われわれは経過観察中に動脈瘤の増大, 変形を示したために開頭クリッピング術を行った症例について, 術中動脈瘤壁の状態を観察し, 動脈瘤の増大, 変形が破裂リスク増加に結びつくかどうか否かを検討したので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.188