クリッピング第一選択による破裂脳動脈瘤の治療成績: 瘤内塞栓術の導入で転帰は改善したか

「はじめに」破裂脳動脈瘤に対してはネッククリッピング術がすでに確立され, その長期成績も明らかにされている. 一方, 血管内治療の普及に伴い瘤内塞栓術によっても良好な成績が期待できるようになった. 破裂脳動脈瘤急性期に対するクリッピング術, 瘤内塞栓術の適用は重症度, 年齢, 瘤の性質, 全身状態など複合的要素の検討を要するが, クリッピング術の利点として確立しているのは解剖構造・破裂部位の視覚的確認, 血腫の排除, 根治性・長期安定性であり, 瘤内塞栓術の利点は低侵襲性と考えられる. 多くの施設では重症例・椎骨脳底系・高齢者に対してクリッピング術では良好な成績が得られなかった背景から, 瘤内...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2010, Vol.38(1), pp.1-6
Hauptverfasser: 原田, 啓, 加藤, 祥一, 石原, 秀行, 米田, 浩, 井本, 浩哉, 岡, 史朗, 白尾, 敏之, 藤井, 正美, 秋村, 龍夫, 藤澤, 博亮, 鈴木, 倫保
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」破裂脳動脈瘤に対してはネッククリッピング術がすでに確立され, その長期成績も明らかにされている. 一方, 血管内治療の普及に伴い瘤内塞栓術によっても良好な成績が期待できるようになった. 破裂脳動脈瘤急性期に対するクリッピング術, 瘤内塞栓術の適用は重症度, 年齢, 瘤の性質, 全身状態など複合的要素の検討を要するが, クリッピング術の利点として確立しているのは解剖構造・破裂部位の視覚的確認, 血腫の排除, 根治性・長期安定性であり, 瘤内塞栓術の利点は低侵襲性と考えられる. 多くの施設では重症例・椎骨脳底系・高齢者に対してクリッピング術では良好な成績が得られなかった背景から, 瘤内塞栓術を頻用するようになり, それでもなお転帰不良例が存在するのが現状と考える. 当科ではクリッピング術を第一選択とし, クリッピング術が不可能と判断した椎骨脳底系の症例と全身状態不良例に瘤内塞栓術を適用してきたが, 2005年以降は重症例・椎骨脳底系・高齢者に対して積極的に瘤内塞栓術を適用した. 今回, 瘤内塞栓術の積極的適用で破裂脳動脈瘤根治例の治療成績が向上したか検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.38.1