より効果的なSTA-MCA bypass術: data evidenceによるstandard化

「はじめに」近年, わが国では初めての大規模な臨床研究により厳密な適応基準の下に高度脳虚血状態におけるSTA-MCAバイパス手術の有効性が証明された. この臨床研究の意義は非常に大きく, われわれ脳神経外科医が抱いていた虚血治療における方針が改めて1つの形となり, さまざまな病態に対して多くの寄与をもたらしていくと期待されている. このバイパス手術は血管の吻合という単純な手術手技である反面, さまざまな因子が関与するため画一的な手術結果を予期することはできない. それは適在するSTAの本数や太さやrecipientの状態などの患者側の因子, どれをどこに吻合するという自由度の圧倒的に高い術者側...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2008, Vol.36(3), pp.193-197
Hauptverfasser: 吉本, 哲之, 丸一, 勝彦, 千葉, 泰弘, 白坂, 智英, 藤本, 真, 善積, 威, 山内, 亨, 徳田, 耕一, 金子, 貞男, 柏葉, 武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」近年, わが国では初めての大規模な臨床研究により厳密な適応基準の下に高度脳虚血状態におけるSTA-MCAバイパス手術の有効性が証明された. この臨床研究の意義は非常に大きく, われわれ脳神経外科医が抱いていた虚血治療における方針が改めて1つの形となり, さまざまな病態に対して多くの寄与をもたらしていくと期待されている. このバイパス手術は血管の吻合という単純な手術手技である反面, さまざまな因子が関与するため画一的な手術結果を予期することはできない. それは適在するSTAの本数や太さやrecipientの状態などの患者側の因子, どれをどこに吻合するという自由度の圧倒的に高い術者側の因子など, また吻合面を広くとるか, 吻合後に狭窄が生じないかなどの因子が関与するためである. 現実にこれらによって多少なりとも手術でもたらされる血流量に差が生じることが予想される. また本手術の具体的, 統一的な手術手技や得られる血流に関する明確なデータについての報告は現在のところ認められない.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.193