頸部内頸動脈のnear occlusionに対するSTA-MCA吻合術

「はじめに」頸部内頸動脈のnear occlusionに対する治療は, これまでに保存的治療, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy, CEA)1)2)5)8)10)15), ステント治療6)18)の報告がある. その中でもCEAが中心的な役割を占め, 著者らもCEAを行ってきた. 今回, 症候性で頸部内頸動脈がnear occlusionにより脳血流低下をきたし, CEAを行うには技術的に困難で, また術後hyperperfusionの危険性が高いと考えられた4症例に対し, 浅側頭動脈中大脳動脈(STA-MCA)吻合術を行った. 周術期合併症はなく, 術後は脳血流障...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2008, Vol.36(3), pp.181-186
Hauptverfasser: 山根, 冠児, 沖田, 進司, 熊野, 潔, 出井, 勝, 恩田, 秀賢, 中江, 竜太, 橋本, 尚美, 石之神, 小織, 豊田, 章宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」頸部内頸動脈のnear occlusionに対する治療は, これまでに保存的治療, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy, CEA)1)2)5)8)10)15), ステント治療6)18)の報告がある. その中でもCEAが中心的な役割を占め, 著者らもCEAを行ってきた. 今回, 症候性で頸部内頸動脈がnear occlusionにより脳血流低下をきたし, CEAを行うには技術的に困難で, また術後hyperperfusionの危険性が高いと考えられた4症例に対し, 浅側頭動脈中大脳動脈(STA-MCA)吻合術を行った. 周術期合併症はなく, 術後は脳血流障害の改善が得られ, また脳梗塞め再発もなかったことから, 内頸動脈のnear occlusionに対するSTA-MCA吻合術の妥当性について検討した. 「対象と方法」near occlusionの定義に関してはFoxら4)の脳血管撮影によるcriteriaに拠った. すなわち, (1)頭蓋内での内頸動脈の造影が外頸動脈系の血管に比べ遅れる. (2)頭蓋内で前交通動脈, 後交通動脈や眼動脈などを介する側副血行路の描出が認められる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.181