頸部内頸動脈狭窄症に対するステント留置術の長期成績: 自己拡張型ステントの再狭窄について

「はじめに」頸部内頸動脈狭窄症に対する治療としては頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)がスタンダードな治療と考えられてきた. 本邦では頸部内頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)はいまだ保険収載されておらず, 保険医療材料として認可された頸動脈用のステントもない. それにもかかわらず, 高齢者や全身合併症を持っている患者にとってはCASの低侵襲性は非常に有用であることから, 近年ではCASが選択されることも増加している. 文献的にもCEAの高危険群に対してのCASの有用性が報告されている11). C...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2008, Vol.36(2), pp.73-77
Hauptverfasser: 松本, 康史, 江面, 正幸, 古井, 英介, 坪井, 謙, 高橋, 明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」頸部内頸動脈狭窄症に対する治療としては頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)がスタンダードな治療と考えられてきた. 本邦では頸部内頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)はいまだ保険収載されておらず, 保険医療材料として認可された頸動脈用のステントもない. それにもかかわらず, 高齢者や全身合併症を持っている患者にとってはCASの低侵襲性は非常に有用であることから, 近年ではCASが選択されることも増加している. 文献的にもCEAの高危険群に対してのCASの有用性が報告されている11). CEAとCASを比較して有用性を論じるときに最大の問題となるのは, CASの長期成績が明らかになっていないという点である. CAS後の再狭窄の頻度を報告した論文は多数あるが2)6)9)11), 現在主流となっている自己拡張型ステントに限っての再狭窄率に関する報告は少ない. 今回われわれは, 自己拡張型ステント留置後に再狭窄をきたす頻度および時期について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.73