脳室内穿破を伴う重症視床出血の急性期開頭血腫除去術: interhemispheric transcallosal approachを用いて

「はじめに」2004年脳卒中ガイドラインによると, 視床出血には急性期治療として血腫除去術を勧めるだけの根拠はなく, 血腫の脳室内穿破を伴う場合, 脳室拡大の強いものには脳室ドレナージ術を考慮してもよいとされている9). しかし, 多量の脳室内血腫を伴った視床出血は, 保存的治療ではきわめて予後不良であり, 死亡率80%という報告もある5)12). 当院では意識レベルが悪く, 脳室内にcastingする血腫がある場合, 積極的にinterhemispheric transcallosal approach(以下ITAと略す)により血腫除去を施行している. その手法は従来からあるinterhem...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2007, Vol.35(6), pp.442-445
Hauptverfasser: 安達, 忍, 堤, 一生, 井上, 智弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」2004年脳卒中ガイドラインによると, 視床出血には急性期治療として血腫除去術を勧めるだけの根拠はなく, 血腫の脳室内穿破を伴う場合, 脳室拡大の強いものには脳室ドレナージ術を考慮してもよいとされている9). しかし, 多量の脳室内血腫を伴った視床出血は, 保存的治療ではきわめて予後不良であり, 死亡率80%という報告もある5)12). 当院では意識レベルが悪く, 脳室内にcastingする血腫がある場合, 積極的にinterhemispheric transcallosal approach(以下ITAと略す)により血腫除去を施行している. その手法は従来からあるinterhemispheric approachを用いたものではあるが, 再確認の意味で要点を紹介するとともに, その治療成績を報告し, 他の治療方法と比較検討した. 「対象と方法」来院時JCS30以下で, 脳室内にcastingする血腫のある重症視床出血に対して, 2002-2005年の間で15例(男5人, 女10人)に当手術を施行した. この成績を, 1995年から2002年までの重症視床出血で脳室ドレナージ術(VD)を施行した15例の成績と比較し, ITAの有用性を検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.35.442