重症くも膜下出血の治療: 適応決定の問題点
はじめに 重症SAHは今なお治療に苦慮する疾患である. これまで取られてきた方針をみると大きく2つに分かれる. 治療適応を厳格に行うことで予後不良例の減少を目指す立場と, 積極的に新たな治療法を試みつつ加療を行い, その中から1人でも多くの予後良好例を見出す立場である. しかし, 前者では手術適応を判断する指標を何に求めるか(神経学? 脳循環? 電気生理学? 画像?)明らかでなく, 後者でもcoil塞栓術や低脳温療法や平温療法の意義がまだ明らかにされていない. われわれは1999年までは前者の立場で治療行ってきた13). すなわち血腫合併例にはただちに根治手術を, 合併しない例には12時間程度...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2006, Vol.34(6), pp.409-414 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | はじめに 重症SAHは今なお治療に苦慮する疾患である. これまで取られてきた方針をみると大きく2つに分かれる. 治療適応を厳格に行うことで予後不良例の減少を目指す立場と, 積極的に新たな治療法を試みつつ加療を行い, その中から1人でも多くの予後良好例を見出す立場である. しかし, 前者では手術適応を判断する指標を何に求めるか(神経学? 脳循環? 電気生理学? 画像?)明らかでなく, 後者でもcoil塞栓術や低脳温療法や平温療法の意義がまだ明らかにされていない. われわれは1999年までは前者の立場で治療行ってきた13). すなわち血腫合併例にはただちに根治手術を, 合併しない例には12時間程度pretreatmentを行い, グレードIIIに改善する例は全例, IVの例では若年で全身状態良好例に根治術を施行した. 2000年からは筆者の勤務先が変わったことを契機として, coil塞栓術や脳循環代謝モニタリング下の低脳温療法などの新たなプロトコールで積極的治療を開始した. 今回はその成績と問題点を前回プロトコールと比較しながら報告する. |
---|---|
ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.34.409 |