頭蓋頸椎移行部動静脈瘻の検討

脊髄領域に発生する動静脈瘻には, 硬膜内(特に神経根周囲の硬膜)に動静脈短絡を有する脊髄硬膜動静脈瘻(spinal dural arteriovenous fistula;SDAVF)と, 脊髄表面のくも膜下腔に存在する脊髄動静脈瘻(spinal perimedullary arteriovenous fistula;SPAVF)が知られている. 前者は胸腰椎部に, 後者は脊髄円錐部に好発し, 静脈灌流障害による進行性の脊髄症状を呈することが多い13)17). しかし, 近年になり頭蓋頸椎移行部に発生した動静脈瘻の. 報告が散見されるようになったが, まれであるためまとまった報告はない. 当施...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2005, Vol.33(1), pp.50-56
Hauptverfasser: 甲斐, 豊, 濱田, 潤一郎, 森岡, 基浩, 矢野, 茂敏, 水野, 隆正, 黒田, 順一郎, 倉津, 純一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脊髄領域に発生する動静脈瘻には, 硬膜内(特に神経根周囲の硬膜)に動静脈短絡を有する脊髄硬膜動静脈瘻(spinal dural arteriovenous fistula;SDAVF)と, 脊髄表面のくも膜下腔に存在する脊髄動静脈瘻(spinal perimedullary arteriovenous fistula;SPAVF)が知られている. 前者は胸腰椎部に, 後者は脊髄円錐部に好発し, 静脈灌流障害による進行性の脊髄症状を呈することが多い13)17). しかし, 近年になり頭蓋頸椎移行部に発生した動静脈瘻の. 報告が散見されるようになったが, まれであるためまとまった報告はない. 当施設で経験した6例と, 過去に報告された頭蓋頸椎移行部の動静脈瘻症例を加え, 病態と治療法について検討したので報告する. 対象 症例は6例で, 男性5例, 女性1例, 年齢は54-75歳(平均61.7歳)であった. 発症は全例くも膜下出血であった. 流入動脈は, 前脊髄動脈2例, 椎骨動脈硬膜枝3例, 上行咽頭動脈1例であり, 流出静脈は, 脊髄静脈6例, petrosal vein4例であった. 4例(Case1-4)がSDAVFで, 2例(Case5, 6)がSPAVFであった(Table 1).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.50