内頸動脈閉塞に合併した脳動脈瘤
主幹動脈閉塞に脳動脈瘤が合併し, 動脈瘤発生に血行力学的負荷の関与が示唆される症例を時に経験する. このような症例は以前から報告されているが, そのほとんどは散発的な症例報告にすぎなかった1)4)6)8)9)10)12)14)16)17)19)20)21)24)26)28). 1988年本誌16巻で, 「脳虚血性病変と脳動脈瘤合併例の治療」が特集として取り上げられ, いくつかの論文で主幹動脈閉塞と脳動脈瘤の合併例が扱われたが, いずれも全体像が明らかでなく, このような合併例の脳動脈瘤症例全体に占める頻度については言及されていなかった5)7)18)22)23). その発生に血行力学的負荷の関与...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2001, Vol.29(4), pp.267-271 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 主幹動脈閉塞に脳動脈瘤が合併し, 動脈瘤発生に血行力学的負荷の関与が示唆される症例を時に経験する. このような症例は以前から報告されているが, そのほとんどは散発的な症例報告にすぎなかった1)4)6)8)9)10)12)14)16)17)19)20)21)24)26)28). 1988年本誌16巻で, 「脳虚血性病変と脳動脈瘤合併例の治療」が特集として取り上げられ, いくつかの論文で主幹動脈閉塞と脳動脈瘤の合併例が扱われたが, いずれも全体像が明らかでなく, このような合併例の脳動脈瘤症例全体に占める頻度については言及されていなかった5)7)18)22)23). その発生に血行力学的負荷の関与が強く疑われる動脈瘤は, いったいどのくらいあるのであろうか. 今回, 主幹動脈閉塞のうち, Willis動脈輪に対する血行力学的負荷が大きく, かつ負荷の方向も判定しやすいと考えられる内頸動脈閉塞例を対象とし, 自験例をもとに検討した. 著者らの1人が行った脳動脈瘤手術患者1097例を母集団とし, その臨床記録中, 内頸動脈完全閉塞の記載のあった症例を対象として検討した. 内頸動脈狭窄例はその程度がさまざまであり, 血行動態の評価が困難であるため除外した. 対象例の血管閉塞によるWillis動脈輪のバリエーションを分類し, 動脈瘤の部位その他臨床的因子について母集団と対比した. 内頸動脈閉塞を合併した症例は, すでに報告した3例を含む10例(0.9%)であった5)27). 男性5例, 女性5例で, 年齢はホモシスチン尿症に合併した27歳男性例を除くと, 43-73歳(平均60歳)であり, 発症様式は8例がくも膜下出血, 他の1例は動脈瘤圧迫による脳幹症状であった(Table1). |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.29.267 |