両側内頸動脈閉塞に伴った両側巨大後大脳動脈瘤(P1-P2 junction)の1例

一側の内頸動脈閉塞欠損と脳動脈瘤の合併例については多くの報告があるが15), 両側頸動脈閉塞欠損と脳動脈瘤の合併例の報告は少ない2)18). われわれは両側内頸動脈閉塞を伴いmass effectによる片麻痺症状で発症した両側巨大後大脳動脈瘤に対しclipping術と瘤内塞栓術を行った症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 患者:51歳の男性. 主訴:左片麻痺, 構音障害. 既往歴:幼児期, 網膜剥離にて右眼を失明. 現病歴:平成9年6月ごろより左上下肢の筋力低下を自覚. 徐々に進行したため7月23日近医を受診. CTで脳腫瘍を疑われ, 翌日当科紹介, 独歩入院となった. 入院...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 2001-03, Vol.29 (2), p.119-124
Hauptverfasser: 野口修, 今井英明, 合田司, 河野徳雄, 貫井英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:一側の内頸動脈閉塞欠損と脳動脈瘤の合併例については多くの報告があるが15), 両側頸動脈閉塞欠損と脳動脈瘤の合併例の報告は少ない2)18). われわれは両側内頸動脈閉塞を伴いmass effectによる片麻痺症状で発症した両側巨大後大脳動脈瘤に対しclipping術と瘤内塞栓術を行った症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 患者:51歳の男性. 主訴:左片麻痺, 構音障害. 既往歴:幼児期, 網膜剥離にて右眼を失明. 現病歴:平成9年6月ごろより左上下肢の筋力低下を自覚. 徐々に進行したため7月23日近医を受診. CTで脳腫瘍を疑われ, 翌日当科紹介, 独歩入院となった. 入院時所見:意識は清明で, 顔面を含む左半身の不全麻痺, 左半身の知覚異常, 構音障害, 左眼の鼻側の視野狭窄を認めた. 神経放射線学的所見:CTでは右大脳脚部から視床下部にかけて直径3cmの境界がやや不明瞭なhigh density massを認め, CT-scan bone imageでは頸動脈管がとらえられていた(Fig.1).
ISSN:0914-5508