重症くも膜下出血の急性期病態の特殊性
脳動脈瘤破裂による重症くも膜下出血(Hunt and Kosnik(H&K)grade IV or V)患者のmortalityはきわめ て高く, 予後はいまだ満足のいくものではない8)10)15)16). この原因として, 頭蓋内の重症度に加えて, 年齢, 高血圧や糖尿病などの基礎疾患の合併だけでなく, 発症時の嘔吐による誤嚥性肺炎, カテコールアミンの過剰放出に基づく神経原性肺水腫, 致死性不整脈などの重度な全身合併症の存在が注目されてきた2)4)5)12)13)20). しかし脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者の重症化に至る経過や全身合併症の詳細な病態解析の報告は少なく, 重症化...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2000/11/30, Vol.28(6), pp.427-433 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 脳動脈瘤破裂による重症くも膜下出血(Hunt and Kosnik(H&K)grade IV or V)患者のmortalityはきわめ て高く, 予後はいまだ満足のいくものではない8)10)15)16). この原因として, 頭蓋内の重症度に加えて, 年齢, 高血圧や糖尿病などの基礎疾患の合併だけでなく, 発症時の嘔吐による誤嚥性肺炎, カテコールアミンの過剰放出に基づく神経原性肺水腫, 致死性不整脈などの重度な全身合併症の存在が注目されてきた2)4)5)12)13)20). しかし脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者の重症化に至る経過や全身合併症の詳細な病態解析の報告は少なく, 重症化に至るくも膜下出血患者のprehospital careとして何が重要であるかや, 重篤な全身合併症を併発したくも膜下出血患者の具体的な治療方針も明らかにされていない. この意味からすれば, 重症くも膜下出血患者の予後の改善には, 頭蓋内病態をいかに治療するかだけでなく, 重症化する患者の背景や発症後の全身状態悪化の病態解析やその治療方針をどのように組み立てられるかも重要な因子と考えられる. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.28.6_427 |