くも膜下出血で発症した内頸動脈C2部解離性動脈瘤と考えられた1例
頭蓋内内頸動脈解離性動脈瘤がくも膜下出血(SAH)で発症することは非常にまれ12)で, その診断や治療方針についてはまだあまり議論されていない. 今回, われわれはSAHで発症した内頸動脈C2部解離性動脈瘤と考えられた症例に対し, 急性期に総頸動脈結紮術を行い, 良好な結果を得た. 内頸動脈背側部あるいは前壁に発生する, いわゆるチマメ状動脈瘤などとの異同も含めて文献的考察を加えて報告する. 症例 患者:40歳, 女性. 既往歴:高血圧, 高脂血症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:1995年11月9日, 突然の頭痛にて発症し, 翌日に来院した. CTにて右シルビウス裂から脳底槽にSAH...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中の外科 2000/09/30, Vol.28(5), pp.382-387 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 頭蓋内内頸動脈解離性動脈瘤がくも膜下出血(SAH)で発症することは非常にまれ12)で, その診断や治療方針についてはまだあまり議論されていない. 今回, われわれはSAHで発症した内頸動脈C2部解離性動脈瘤と考えられた症例に対し, 急性期に総頸動脈結紮術を行い, 良好な結果を得た. 内頸動脈背側部あるいは前壁に発生する, いわゆるチマメ状動脈瘤などとの異同も含めて文献的考察を加えて報告する. 症例 患者:40歳, 女性. 既往歴:高血圧, 高脂血症. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:1995年11月9日, 突然の頭痛にて発症し, 翌日に来院した. CTにて右シルビウス裂から脳底槽にSAHを認め(Fig. 1), 入院となった. 入院時意識ほぼ清明で神経学的異常は認めず, WFNS grade2であった. 血圧は142/98mmHgで以前より高血圧を指摘されていたが投薬は受けていなかった. 血液尿検査などでは特に異常を認めず, 生化学的検査では総コレステロールの軽度上昇(258mg/dl)を認めた. 入院後経過:入院当日の脳血管撮影では右内頸動脈C2部に前後に狭窄を伴い全周が球形に拡張した直径約5. 5mmの動脈瘤を認めた(Fig. 2ABC). |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.28.5_382 |