進行性の臨床経過を示した特発性頸部内頸動脈解離の1例

従来まれと考えられてきた頸部内頸動脈解離は, 認識が深まるにつれ報告例が増加し, 特に若年者の虚血性脳疾患の原因として重要で11), 臨床経過, 放射線学的所見, 治療法において中高年に多い粥状硬化症とは異なる点が多いことが明らかになっている. 今回著者らは進行性の臨床経過と血管撮影所見を呈し, 頭蓋外内血管吻合術が奏功した特発性頸部内頸動脈解離の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:21歳, 男性. 主訴:右片麻痺, 言語障害. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成9年2月に右半身脱力発作が3回ほどあったが, いずれも30秒~1分位で軽快したため放置...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1999/01/31, Vol.27(1), pp.54-58
Hauptverfasser: 片岡, 大治, 平井, 収
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来まれと考えられてきた頸部内頸動脈解離は, 認識が深まるにつれ報告例が増加し, 特に若年者の虚血性脳疾患の原因として重要で11), 臨床経過, 放射線学的所見, 治療法において中高年に多い粥状硬化症とは異なる点が多いことが明らかになっている. 今回著者らは進行性の臨床経過と血管撮影所見を呈し, 頭蓋外内血管吻合術が奏功した特発性頸部内頸動脈解離の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 症例:21歳, 男性. 主訴:右片麻痺, 言語障害. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成9年2月に右半身脱力発作が3回ほどあったが, いずれも30秒~1分位で軽快したため放置していた. 4月16日パチンコ中に右半身脱力と言語障害が出現し, 救急車で搬送された. 入院時所見と経過:意識清明, 右片麻痺2/5, 運動性失語を認めたが, 来院後10分ほどで消失した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.27.1_54