高度動脈硬化を伴った脳動脈瘤手術の問題点と柄部補強の有用性

「はじめに」近年, 高齢者人口の増加とともに, 高齢者脳動脈瘤に対しても積極的に手術が行われる機会がふえた. しかし, これらの症例では動脈硬化が強いことが多く, 術中に思わぬトラブルに遭遇し, 手術に難渋することがある. 今回我々は, 高度動脈硬化を伴った動脈瘤手術の術中の問題点を明らかにし, それに対して若干の工夫を施し有効であったので報告する. 「対象及び方法」対象は, 1992年から1995年までの過去4年間に直達手術が施行された脳動脈瘤197例のうち, 術中所見で高度動脈硬化が認められた17例である. 高度動脈硬化とは, 術中所見で親血管の全周に動脈硬化が認められ, 動脈瘤柄部まで動...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1997/07/31, Vol.25(4), pp.300-304
Hauptverfasser: 神保, 洋之, 岩田, 隆信, 池田, 尚人, 須永, 茂樹, 花川, 一郎, 飯田, 昌孝, 佐々木, 健, 泉山, 仁, 水島, 秀勝, 松本, 清
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」近年, 高齢者人口の増加とともに, 高齢者脳動脈瘤に対しても積極的に手術が行われる機会がふえた. しかし, これらの症例では動脈硬化が強いことが多く, 術中に思わぬトラブルに遭遇し, 手術に難渋することがある. 今回我々は, 高度動脈硬化を伴った動脈瘤手術の術中の問題点を明らかにし, それに対して若干の工夫を施し有効であったので報告する. 「対象及び方法」対象は, 1992年から1995年までの過去4年間に直達手術が施行された脳動脈瘤197例のうち, 術中所見で高度動脈硬化が認められた17例である. 高度動脈硬化とは, 術中所見で親血管の全周に動脈硬化が認められ, 動脈瘤柄部まで動脈硬化が及んでいるものとした. 我々は当初, 前半の9例に対してはなんら工夫施さず, 場合によっては柄部における処置を断念して手術を行っていたが, 後半の8例ではサージセル(R)とバイオボンド(R)にて補強し, できるだけ柄部においてクリッピングを行う方針とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.25.4_300