脳動脈瘤ラッピング術後の親動脈閉塞

「はじめに」脳動脈瘤手術では, ネッククリッピングが最も有効な処置であるが, 親動脈も含め分枝の保存のためラッピングを行わざるをえない場合もあり, その有効性については, これまでにも報告されてきた. われわれは, Bemsheets(R)を使用したラッピング後に親動脈の閉塞をきたした症例を経験したので報告する. 「対象」脳動脈瘤直達手術324例中12例でラッピングを行った. 動脈瘤の部位は内頸動脈瘤2例, 後交通動脈のinfundibular dilatation 7例, 前大脳動脈末梢動脈瘤1例, 中大脳動脈瘤2例であった. ラッピングにはBemsheets(R) (Bemlyse, 100% cotton linter, 旭化成製造, 川本包帯販売) を使い, 症例によってはBiobond(R) (EDH adhesive) あるいはfibrin glueでコーティングを追加した.