モヤモヤ病に合併した破裂脳底動脈瘤3症例の治療経験: 治療方法の選択についての文献的考察

「はじめに」モヤモヤ病では頭蓋内内頸動脈の閉塞性変化に伴うウイリス動脈輪前半部の血流低下から, 椎骨脳底動脈系への血行負担が大きくなり脳底動脈先端部近傍に動脈瘤が発生しかつ増大しやすいことが報告されている. 従って脳底動脈瘤を合併したモヤモヤ病患者に, CT scanで脳底槽を主体とする通常のクモ膜下出血 (SAH) を認めた場合は, 動脈瘤破裂による可能性が高く, モヤモヤ病を考慮した上での破裂脳底動脈瘤の処置が必要となってくる. 治療法の選択は, 患者個々の脳循環動態, 本症の自然経過, 手術方法・時期・予後などを十分に検討した上でなされるべきである. しかし, モヤモヤ病に合併した破裂脳...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1996/09/30, Vol.24(5), pp.357-364
Hauptverfasser: 河野, 兼久, 安部, 智宏, 岩田, 真治, 荒井, 政森, 大田, 信介, 榊, 三郎, 武田, 定典, 木藤, 克己
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」モヤモヤ病では頭蓋内内頸動脈の閉塞性変化に伴うウイリス動脈輪前半部の血流低下から, 椎骨脳底動脈系への血行負担が大きくなり脳底動脈先端部近傍に動脈瘤が発生しかつ増大しやすいことが報告されている. 従って脳底動脈瘤を合併したモヤモヤ病患者に, CT scanで脳底槽を主体とする通常のクモ膜下出血 (SAH) を認めた場合は, 動脈瘤破裂による可能性が高く, モヤモヤ病を考慮した上での破裂脳底動脈瘤の処置が必要となってくる. 治療法の選択は, 患者個々の脳循環動態, 本症の自然経過, 手術方法・時期・予後などを十分に検討した上でなされるべきである. しかし, モヤモヤ病に合併した破裂脳底動脈瘤のまとまった症例数での報告はなく, かつ未破裂脳底動脈瘤の合併例を含めても渉猟しうる報告は30症例前後で, 病状の個体差と相俟って確立された治療方法はないのが現状である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.24.5_357