椎骨脳底動脈系に多発性脳動脈瘤を伴ったSLEの1例

「はじめに」 Systemic Lupus Erythematosus(SLE)は, 中枢神経系も含め多臓器障害を起こす慢性炎症性疾患であり, 脳血管障害に限って言えば3~20%の合併率と言われている. 当然クモ膜下出血も合併することはあるが, その多くは脳内出血に伴ったもので脳動脈瘤破裂によるものは意外に少なく, 我々の渉猟し得た範囲内では22例のみであった. 今回, 我々はSLEに合併した多発性破裂脳動脈瘤の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」 33歳, 女性. 主訴:頭痛, 嘔吐. 現病歴:1994年7月30日午前2時頃, カラオケをしている最中突然の右肩痛,...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1996/01/31, Vol.24(1), pp.27-30
Hauptverfasser: 小林, 信介, 松本, 清, 岡村, 康之, 本間, 秀樹, 川村, 典義, 飯田, 昌孝, 朝本, 俊司, 岩田, 隆信, 土居, 浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 Systemic Lupus Erythematosus(SLE)は, 中枢神経系も含め多臓器障害を起こす慢性炎症性疾患であり, 脳血管障害に限って言えば3~20%の合併率と言われている. 当然クモ膜下出血も合併することはあるが, その多くは脳内出血に伴ったもので脳動脈瘤破裂によるものは意外に少なく, 我々の渉猟し得た範囲内では22例のみであった. 今回, 我々はSLEに合併した多発性破裂脳動脈瘤の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」 33歳, 女性. 主訴:頭痛, 嘔吐. 現病歴:1994年7月30日午前2時頃, カラオケをしている最中突然の右肩痛, 頭痛, 嘔吐を認めた. 頭痛が続くため, 同日午前6時, 救急車にて当院救急センターを受診. 来院時は意識清明で頭痛を主訴としていたが, 不穏, 失見当識も出現していたためSLEによる精神症状が疑われた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.24.1_27