内頸動脈硬膜輪近傍動脈瘤に対するクリッピングの工夫

「はじめに」 これまで直達手術が困難と考えられてきた内頸動脈硬膜輪近傍動脈瘤に対して積極的なアプローチが試みられている. 実際の手術手技に関する詳細な検討報告もあり, 最近ではその部位に対するアプローチはほぼ確立されたといっても良いと考えられる. しかし, この部位の動脈瘤に対するクリッピングに際しては海綿静脈洞, 視神経がありスペースが限られており, しかも内頸動脈の可動性も乏しい. こうした解剖学的な限界より不安定な形での脳動脈瘤クリッピングとなることがあり, 術後クリップのスリップを生じる危険性もある. また, クリップが視神経, 内頸動脈を恒常的に圧迫する可能性も生じる. 我々はこの部...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1995/01/30, Vol.23(1), pp.55-60
Hauptverfasser: 片岡, 和夫, 有田, 憲生, 山田, 恭史, 金, 章夫, 黒田, 良太郎, 種子田, 護
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 これまで直達手術が困難と考えられてきた内頸動脈硬膜輪近傍動脈瘤に対して積極的なアプローチが試みられている. 実際の手術手技に関する詳細な検討報告もあり, 最近ではその部位に対するアプローチはほぼ確立されたといっても良いと考えられる. しかし, この部位の動脈瘤に対するクリッピングに際しては海綿静脈洞, 視神経がありスペースが限られており, しかも内頸動脈の可動性も乏しい. こうした解剖学的な限界より不安定な形での脳動脈瘤クリッピングとなることがあり, 術後クリップのスリップを生じる危険性もある. また, クリップが視神経, 内頸動脈を恒常的に圧迫する可能性も生じる. 我々はこの部位の脳動脈瘤クリッピングに際して, 特にクリップの安定性, 視神経に対するクリップの圧迫の可能性に焦点をしぼり検討した. 「対象」 1993年2月より1994年2月までの1年間に5症例の内頸動脈硬膜輪近傍動脈瘤に対して開頭直達手術を施行した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.23.1_55