クモ膜下出血で発症した椎骨脳底動脈解離性動脈瘤の病理所見とその特異性: 5剖検例よりの検討

「はじめに」頭蓋内椎骨脳底動脈解離性動脈瘤は近年注目される疾患で, クモ膜下出血 (SAH) 発症例の頻度も決して低いものではないことが知られてきた. しかし, 解離性動脈瘤と診断される頭蓋内病変は極めて多様な形態を示し, その真の病態についてはなおあいまいな点が多い. 本報告では, SAHで発症し死亡に至った5剖検例の血管病理所見の検討を行うとともに, 若干の文献的考察を加え本病変の形態的特徴および形成機序につき考察する. 「対象および方法」対象はSAHで発症, 通常の嚢状動脈瘤とは異なる検査・肉眼所見を示し, 後下小脳動脈病変1例を含め, 椎骨脳底動脈系の解離性動脈瘤と診断された5剖検例で...

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Veröffentlicht in:脳卒中の外科 1993/09/30, Vol.21(5), pp.377-383
Hauptverfasser: 遠藤, 俊郎, 扇一, 恒章, 野村, 耕章, 栗本, 昌紀, 西嶌美, 知春, 高久, 晃
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」頭蓋内椎骨脳底動脈解離性動脈瘤は近年注目される疾患で, クモ膜下出血 (SAH) 発症例の頻度も決して低いものではないことが知られてきた. しかし, 解離性動脈瘤と診断される頭蓋内病変は極めて多様な形態を示し, その真の病態についてはなおあいまいな点が多い. 本報告では, SAHで発症し死亡に至った5剖検例の血管病理所見の検討を行うとともに, 若干の文献的考察を加え本病変の形態的特徴および形成機序につき考察する. 「対象および方法」対象はSAHで発症, 通常の嚢状動脈瘤とは異なる検査・肉眼所見を示し, 後下小脳動脈病変1例を含め, 椎骨脳底動脈系の解離性動脈瘤と診断された5剖検例である. 5症例の臨床経過, 検査・手術所見の概要は以下のごとくであり, うち4例で施行された血管撮影所見をFig.1に示す. 54歳, 男. 高血圧の既往を有し, 突然の激しい頭痛発作および意識障害で発症した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.21.5_377