サラゾスルファピリジンによる冠状動脈血管内皮細胞のIL-6産生抑制効果
川崎病は病理学的には血管内皮細胞(ECs)からはじまる血管炎であり1~3), その発症には炎症性サイトカインの産生過多が関与すると考えられている3~8). 一方, 潰瘍性大腸炎や慢性関節リウマチ(DMARDsの一つとして)における治療薬として有効性が確立されているサラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine;SASP, 商品名:サラゾピリン)はサルファ剤であるsulfapyridine(SP)とサリチル酸である5-aminosalicylic acid(5-AS)を結合させた合成薬である. 本剤はサルファ剤の抗菌作用とサリチル酸の抗炎症作用に加えて免疫抑制作用をもつと考えられ...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1999/07/31, Vol.19(4), pp.209-217 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 川崎病は病理学的には血管内皮細胞(ECs)からはじまる血管炎であり1~3), その発症には炎症性サイトカインの産生過多が関与すると考えられている3~8). 一方, 潰瘍性大腸炎や慢性関節リウマチ(DMARDsの一つとして)における治療薬として有効性が確立されているサラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine;SASP, 商品名:サラゾピリン)はサルファ剤であるsulfapyridine(SP)とサリチル酸である5-aminosalicylic acid(5-AS)を結合させた合成薬である. 本剤はサルファ剤の抗菌作用とサリチル酸の抗炎症作用に加えて免疫抑制作用をもつと考えられており, ヒト末梢血単球からの炎症性サイトカイン産生の抑制などで明らかにされている9~12). そこで本剤が血管内皮細胞の活性化を抑制するならば, 川崎病の病態形成を直接的に抑制できることとなり, 川崎病の治療にも有効と考えることができる. 通常, ECsを使用する実験では, 入手しやすい点からヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)が使用されることが多い. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.19.209 |