胚中心B細胞の分化とサイトカイン
胚中心は胸腺依存性抗原に対して応答するB細胞の増殖, 分化の場として2次リンパ器官に形成される. 胚中心の研究は1980年代はじめに, レクチンの一種であるピーナッツ凝集素(peanutagglutinin:PNA)が胚中心B細胞のマーカーになりうることが報告されたことに端を発し1), その後, 組織学的解析だけでなくFACSなどを利用した細胞精製方法やPCR法, 分子生物学的手法の発達により胚中心B細胞の性状, および分化のメカニズムの解明を目的とした研究が進められている. 本稿では抗原特異的なB細胞がどのようにして分化するか, 胚中心はその中でどのような位置付けにあるかについて, マウス脾...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 炎症 1997/11/17, Vol.17(6), pp.531-539 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 胚中心は胸腺依存性抗原に対して応答するB細胞の増殖, 分化の場として2次リンパ器官に形成される. 胚中心の研究は1980年代はじめに, レクチンの一種であるピーナッツ凝集素(peanutagglutinin:PNA)が胚中心B細胞のマーカーになりうることが報告されたことに端を発し1), その後, 組織学的解析だけでなくFACSなどを利用した細胞精製方法やPCR法, 分子生物学的手法の発達により胚中心B細胞の性状, および分化のメカニズムの解明を目的とした研究が進められている. 本稿では抗原特異的なB細胞がどのようにして分化するか, 胚中心はその中でどのような位置付けにあるかについて, マウス脾臓およびヒト扁桃などを用いて得られた知見および変異マウスにおける胚中心B細胞の分化とサイトカインの役割について概説したい. 概説 (1)細動脈周囲リンパ鞘でのB細胞の活性化機構と胚中心の形成脾臓は組織学的に赤血球, 顆粒球, マクロファージなどにより占められる赤脾髄(red pulp)と, リンパ球が多く占める白脾髄に大別される. 抗原に反応しうるB細胞は, まずT細胞領域である細動脈周囲リンパ鞘(periarteriolar lymphoid sheath:PALS)でT細胞との相互作用により活性化される. |
---|---|
ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.17.531 |