実験的マウスMycobacterium avium感染症のinterleukin 12 療法

非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacter-ia:NTM)症はhuman immunodeficiency virus感染者, 基礎疾患(肺結核の既往, 慢性閉塞性肺疾患, 慢性気道感染症, 副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤投与など)を有する者や高齢者に好発し, 日和見感染として発症することが多い. NTM症の原因菌では, Mycobacterium avium complex(MAC)が70~80%を占めもっとも多い. MACは種々の抗菌剤に抵抗性を有し, 菌根絶がほとんど不可能であり, 治療は困難である1). 結核やMAC症などの抗酸菌感染に対する宿主の生体防御機構...

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Veröffentlicht in:炎症 1996/07/10, Vol.16(4), pp.255-259
Hauptverfasser: 小林, 和夫, 島村, 忠勝, 山崎, 純子, 桂, 隆志, 笠間, 毅, 笠原, 慶太
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacter-ia:NTM)症はhuman immunodeficiency virus感染者, 基礎疾患(肺結核の既往, 慢性閉塞性肺疾患, 慢性気道感染症, 副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤投与など)を有する者や高齢者に好発し, 日和見感染として発症することが多い. NTM症の原因菌では, Mycobacterium avium complex(MAC)が70~80%を占めもっとも多い. MACは種々の抗菌剤に抵抗性を有し, 菌根絶がほとんど不可能であり, 治療は困難である1). 結核やMAC症などの抗酸菌感染に対する宿主の生体防御機構としては細胞性免疫発現が重要な役割を演じている2). Interleukin12(IL-12)は主としてmacrophageから産生されるcytokineであり, 細胞性免疫誘導における“initiator”である3). IL-12の生物学的活性にはCD4陽性1型helperT(Th1)細胞やnatural killer(NK)細胞の誘導および活性化, interferonγ(IFNγ), tumor necrosis factorα(TNFα)やgranulocyte-macrophage colony-stimulating factor(GM-CSF)などのcytokine産生促進作用などがある4). 筆者らはIL-12による宿主防御機構の増強をMAC感染症に対する新しい治療戦略として着想し, 本稿において, 実験的マウスM. avium感染症に対するIL-12免疫強化療法の有用性について検討した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.16.255