マウス肺内に存在するMac-1+CD4-CD8-αβT細胞

骨髄由来のT前駆細胞は胸腺に入り成熟T細胞へと分化する. 胸腺内では, T細胞レセプターの再構成およびCD4とCD8の発現に伴い, 胸腺上皮細胞やマクロファージとの相互作用による正や負の選択を受け, 自己抗原応答性クローンの除去とMHC拘束性を獲得する1). 一方, 胸腺の存在しないヌードマウスにおいても成熟T細胞は存在し, 胸腺外分化するT細胞のあることがわかっている2). マウスの腸管上皮や肝臓などにおいては, 胸腺外分化T細胞の存在することが報告されており, 肝臓には, 胸腺由来成熟T細胞ではほとんどみられないCD4もCD8も発現していないダブルネガティブ(DN)αβT細胞がかなり認めら...

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Veröffentlicht in:炎症 1995/03/31, Vol.15(2), pp.123-127
Hauptverfasser: 照屋, 勝治, 川上, 和義, 當山, 雅樹, 久手堅, 憲史, 斎藤, 厚
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨髄由来のT前駆細胞は胸腺に入り成熟T細胞へと分化する. 胸腺内では, T細胞レセプターの再構成およびCD4とCD8の発現に伴い, 胸腺上皮細胞やマクロファージとの相互作用による正や負の選択を受け, 自己抗原応答性クローンの除去とMHC拘束性を獲得する1). 一方, 胸腺の存在しないヌードマウスにおいても成熟T細胞は存在し, 胸腺外分化するT細胞のあることがわかっている2). マウスの腸管上皮や肝臓などにおいては, 胸腺外分化T細胞の存在することが報告されており, 肝臓には, 胸腺由来成熟T細胞ではほとんどみられないCD4もCD8も発現していないダブルネガティブ(DN)αβT細胞がかなり認められる. また, これらの細胞には自己抗原応答性のクローンが多く存在していることなどから, 自己免疫疾患との関連も含め注目されている3). 今回筆者らは, 表面抗原としてMac-1(CD11b)をもち, CD4もCD8も発現していないDNαβT細胞がマウスの肺内に多数存在することを見出したので以下報告する. 材料と方法 (1)マウス 日本SLC(静岡)より購入したDBA/2マウス(7週齢, 雄)を約1週間飼育したあと, 実験に供した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.15.123