慢性関節リウマチにおける貧血に対するリコンビナントヒトエリスロポエチン (KRN5702) の有用性

慢性関節リウマチ(RA)は, 関節を主要な病変とするがそれのみにとどまらず皮膚, 血管, 内臓の結合組織など広範囲に病変が認められ, 発症の免疫学的な機序が関与している結合組織疾患の一つとして考えられるようになってきた. RAに認められるこのような全身症状には, 貧血, 微熱, 体重減少などがあるが, もっとも高頻度に認められるのが貧血である. RA貧血の成因としては, 鉄代謝異常1), 炎症性因子の関与2), 赤血球寿命の短縮3), 血清エリスロポエチン値の低下4)などが報告されているが, いまだ不明の点が多く, 治療としてはRA自体に対する治療が最良の治療法であるが, 現状では特に有効な治...

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Veröffentlicht in:炎症 1994/06/07, Vol.14(3), pp.229-237
Hauptverfasser: 松本, 孝夫, 廣瀬, 俊一, 池辺, 健二, 内田, 詔爾, 入交, 昭一郎, 美田, 誠二, 山田, 昭夫, 井川, 宣, 高杉, 潔, 今井, 淳子, 塩川, 優一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性関節リウマチ(RA)は, 関節を主要な病変とするがそれのみにとどまらず皮膚, 血管, 内臓の結合組織など広範囲に病変が認められ, 発症の免疫学的な機序が関与している結合組織疾患の一つとして考えられるようになってきた. RAに認められるこのような全身症状には, 貧血, 微熱, 体重減少などがあるが, もっとも高頻度に認められるのが貧血である. RA貧血の成因としては, 鉄代謝異常1), 炎症性因子の関与2), 赤血球寿命の短縮3), 血清エリスロポエチン値の低下4)などが報告されているが, いまだ不明の点が多く, 治療としてはRA自体に対する治療が最良の治療法であるが, 現状では特に有効な治療は認められていない. 近年, 腎性貧血の治療薬としてエリスロポエチンが開発され, その有効性が広く認められている5). 今回, RA患者の貧血に対し, リコンビナントヒトエリスロポエチン(KRN5702, 以下rHuEPO)を投与しその有効性, 安全性および有用性を検討した. 対象と方法 対象 本治験は表1にあげる7施設の共同研究として1989年6月から90年10月にかけて実施された.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.14.229