気道炎症時の咳刺激受容機構と麦門冬湯および麦門冬抽出ステロイドサポニンの作用
現在, 鎮咳薬としては, 中枢に作用点を持つものがほとんどで, これまで非麻薬性のもの, 麻薬性のものを含めて多くの中枢性鎮咳薬が臨床に用いられてきた. しかし, 前者は麻薬性がないという点ではすぐれているが, 鎮咳作用の効力の点では十分ではなく, 激しい咳には麻薬性鎮咳薬が, 耐性, 依存性などの副作用にもかかわらず処方されている状況である. さらに, 老人にみられる咳には, もっとも強力とされるリン酸コデインに抵抗を示すものもあり, 臨床上問題となっている. 高齢化社会の到来により老人患者が増加しているが, 老人であるがゆえに, 種々の原因による咳を伴う患者がしばしばみかけられ, その治療...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1993, Vol.13 (5), p.435-443 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現在, 鎮咳薬としては, 中枢に作用点を持つものがほとんどで, これまで非麻薬性のもの, 麻薬性のものを含めて多くの中枢性鎮咳薬が臨床に用いられてきた. しかし, 前者は麻薬性がないという点ではすぐれているが, 鎮咳作用の効力の点では十分ではなく, 激しい咳には麻薬性鎮咳薬が, 耐性, 依存性などの副作用にもかかわらず処方されている状況である. さらに, 老人にみられる咳には, もっとも強力とされるリン酸コデインに抵抗を示すものもあり, 臨床上問題となっている. 高齢化社会の到来により老人患者が増加しているが, 老人であるがゆえに, 種々の原因による咳を伴う患者がしばしばみかけられ, その治療に関しても多種類の薬剤を服用せざるをえなくなり, その結果, 有害な副作用が生じる危険性は高くなる. そこで本研究においては, 大部分の咳発現をみる疾患の疾患発現部位すなわち気道において, その病因の除去, 修復あるいは咳反射の求心性神経の刺激受容部位の抑制ができれば, 確実な鎮咳効果をもたらし, 麻薬性を持たず副作用のきわめて少ない, 特異性の高い鎮咳薬の開発が可能であろう, という作業仮説を設定した. |
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ISSN: | 0389-4290 |