MTT法によるリンパ球幼若化反応の検討
MTT法は細胞増殖機能の測定において, 放射性ラベル化合物を用いることなく, しかも多検体を短時間に比較的簡便に処理できることから, その有用性は大きいと考えられる. しかし, 本法は, MTTが生細胞のミトコンドリア内膜中に存在する呼吸鎖に関与する酵素により開裂され, MTT formazanが生成されること1~3)を用いているため, 生細胞すべてと反応することになる. よって, バックグラウンド値が高くなりやすく4), 精度や特異性でやや劣る感じがある. 今回, われわれは, MTT法によるリンパ球増殖反応系において, 常法に若干の改良を加えたあと, 免疫作用薬の効果を評価することにより本...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1993/07/31, Vol.13(4), pp.383-386 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | MTT法は細胞増殖機能の測定において, 放射性ラベル化合物を用いることなく, しかも多検体を短時間に比較的簡便に処理できることから, その有用性は大きいと考えられる. しかし, 本法は, MTTが生細胞のミトコンドリア内膜中に存在する呼吸鎖に関与する酵素により開裂され, MTT formazanが生成されること1~3)を用いているため, 生細胞すべてと反応することになる. よって, バックグラウンド値が高くなりやすく4), 精度や特異性でやや劣る感じがある. 今回, われわれは, MTT法によるリンパ球増殖反応系において, 常法に若干の改良を加えたあと, 免疫作用薬の効果を評価することにより本法の有用性を検討した. 《材料と方法》(1)使用動物 7週齢のBALB/c系雌性マウスを日本チャールスリバーより購入し, 1週間の予備飼育後, 実験に使用した. (2)薬物 実験には, ミゾリビン(MZR, 旭化成工業), レバミゾール(LMS, Sigma), およびTOK-8801(旭化成工業)を用いた(図1). MZRとLMSは蒸留水で溶解後, TOK-8801は等モル塩酸にて溶解後, リン酸緩衝液(PBS, pH7. 2)でそれぞれ所定の濃度に希釈した. その他, ウシ胎児血清(FCS, GIBCO), RPMI-1640培地(ニッスイ), concanavalin A(Con A, Sigma), lipopolysac-charide(LPS, 岩井化学)およびMTT-細胞増殖測定キット(フナコシ)を用いた. なお, マイトージェンの希釈にもPBSを用いた. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.13.383 |