敗血症性多臟器不全に対する血中エンドトキシン除去治療

多臓器不全(MOF)は感染症を伴う場合, きわめて予後がわるい. 敗血症に対し, 種々の抗体による臨床治験1, 2)が世界的な規模で進められているが, 十分信頼できる結果は得られていない. 敗血症の原因菌としては, エンドトキシンで代表されるグラム陰性菌や陽性菌および真菌などが大部分を占めるが, エンドトキシンの測定法が開発されたため, 特にエンドトキシンやグラム陰性菌に関する報告や研究は多くみられる. しかし, 最近まで数多くの測定法がありながら正式に血中のエンドトキシン測定をうたった商品はなかった. しかし, 現在では血中のエンドトキシン濃度がほぼ正確に測定しうると認定されつつあり3, 4...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:炎症 1993/05/31, Vol.13(3), pp.233-238
Hauptverfasser: 谷, 徹, 青木, 裕彦, 吉岡, 豊一, 花沢, 一芳, 横田, 徹, 遠藤, 善裕, 小路, 久敬, 小玉, 正智
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:多臓器不全(MOF)は感染症を伴う場合, きわめて予後がわるい. 敗血症に対し, 種々の抗体による臨床治験1, 2)が世界的な規模で進められているが, 十分信頼できる結果は得られていない. 敗血症の原因菌としては, エンドトキシンで代表されるグラム陰性菌や陽性菌および真菌などが大部分を占めるが, エンドトキシンの測定法が開発されたため, 特にエンドトキシンやグラム陰性菌に関する報告や研究は多くみられる. しかし, 最近まで数多くの測定法がありながら正式に血中のエンドトキシン測定をうたった商品はなかった. しかし, 現在では血中のエンドトキシン濃度がほぼ正確に測定しうると認定されつつあり3, 4), エンドトキシンが生体に及ぼす影響はさらに重要な意味を持つようになってきた. この状況と, 血中エンドトキシン除去の意義について述べ, 治療法としてポリミキシンBを固定化した繊維を充填したカラム(PMX)を用いた敗血症性MOF患者治療, つまり血液灌流法により血中のエンドトキシン除去を試みた臨床結果を報告する.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.13.233