モルモット好酸球major basic proteinの殺菌活性ペプチドの分離の試み

好酸球は殺菌作用や殺虫作用を有しており, 生体防御反応において重要な役割を果たしている. 好酸球のこれらの作用には顆粒内蛋白質の一つであるmajor basic protein(MBP)が関与すると考えられている1~5). MBPは等電点10以上の顆粒内塩基性蛋白質であり, 殺菌1), 殺虫作用2)のほかに好塩基球および肥満細胞からのヒスタミン放出作用3)や細胞傷害作用4)を示すことが報告されている. また, 喘息患者の気道内にMBPの沈着が認められることから, MBPと喘息の病態との関与が示唆されている5). MBPの一次構造については, WasmoenらによってヒトMBPが蛋白質レベルで解...

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Veröffentlicht in:炎症 1992/09/10, Vol.12(5), pp.441-445
Hauptverfasser: 橋本, 祐一, 長岡, 功, 染谷, 明正, 岩渕, 和久, 蓬田, 伸, 山下, 辰久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:好酸球は殺菌作用や殺虫作用を有しており, 生体防御反応において重要な役割を果たしている. 好酸球のこれらの作用には顆粒内蛋白質の一つであるmajor basic protein(MBP)が関与すると考えられている1~5). MBPは等電点10以上の顆粒内塩基性蛋白質であり, 殺菌1), 殺虫作用2)のほかに好塩基球および肥満細胞からのヒスタミン放出作用3)や細胞傷害作用4)を示すことが報告されている. また, 喘息患者の気道内にMBPの沈着が認められることから, MBPと喘息の病態との関与が示唆されている5). MBPの一次構造については, WasmoenらによってヒトMBPが蛋白質レベルで解析されており6), また, 最近, 青木らによってモルモットMBPのcDNAが単離され, その塩基配列からモルモットMBPの一次構造が推定されている7). しかし, MBPの生物作用がどのような機構によって発現されるかほとんど調べられていない. そこで, 今回, 筆者らはMBPの殺菌作用に注目し, モルモットMBPから殺菌活性ペプチドを分離し, それを解析することによってMBPの殺菌作用のメカニズムを検討した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.12.441