新規ロイコトリエンB4特異的拮抗剤WF11605のラット急性肝炎モデルに対する作用
D-ガラクトサミン(D-galactosamine, GalN)がラットに急性肝傷害を誘発することは, ヘキソサミン代謝研究中にKepplerら1)により見出された. この肝傷害発症の生化学的機序を図1に簡略に示した. GalNは, 肝臓で特異的に代謝されてUDP-グルコサミンとなり, UDPを消費する. それに伴い肝UTP含量が減少し, 肝臓におけるRNA, 蛋白合成能の低下を誘導するとされている. さらに, この肝機能の低下は, 腸内細菌に由来するエンドトキシンの肝臓での代謝を不十分にし, エンドトキシン血症などを誘発する. これらの原因により肝細胞が傷害されると考えられている. 近年,...
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Veröffentlicht in: | 炎症 1992/07/10, Vol.12(4), pp.373-377 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | D-ガラクトサミン(D-galactosamine, GalN)がラットに急性肝傷害を誘発することは, ヘキソサミン代謝研究中にKepplerら1)により見出された. この肝傷害発症の生化学的機序を図1に簡略に示した. GalNは, 肝臓で特異的に代謝されてUDP-グルコサミンとなり, UDPを消費する. それに伴い肝UTP含量が減少し, 肝臓におけるRNA, 蛋白合成能の低下を誘導するとされている. さらに, この肝機能の低下は, 腸内細菌に由来するエンドトキシンの肝臓での代謝を不十分にし, エンドトキシン血症などを誘発する. これらの原因により肝細胞が傷害されると考えられている. 近年, この肝傷害を発症させるメディエーターについても研究が進められてきた. Kepplerら2)は, ペプチドロイコトリエンであるロイコトリエンD4(LTD4)の関与を報告している. また, Tigesら3)は, 腫瘍壊死因子(TNF-α)がファイナルメディエーターであることを示唆した. 一方, Barrowら4)は, GalNによる肝傷害発症モデルにおいて, 肝組織への炎症性細胞の浸潤を観察した. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.12.373 |